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元寇の伝承を今に伝える古社。長崎市・矢上神社

長崎通信社|元寇の伝承を今に伝える古社。長崎・矢上神社
矢上神社

長崎市矢上町に鎮座する矢上神社は、地域の氏神として長い歴史を刻んできた古社である。


創建は弘安4年(1281年)。元寇という国難の折、西海鎮護の神として矢上の神奈備山に宝剣が「劔の箭」となって天降ったとの伝承に由来する。その宝剣を鎮祀したのが始まりとされ、「箭神(やがみ)」の地名の起源とも伝えられている。


その後、1522年(大永2年)に三神を勧請して「大王社」と号し、1575年(天正3年)に現在地へ奉遷。明治5年には社号を「箭神神社」と改めた。平成25年には御鎮座730年記念事業として社殿と社務所の改築が行われ、遷御の儀が執り行われた。この年は伊勢神宮第62回式年遷宮、出雲大社大遷宮とも重なり、地域にとって大きな節目となった。


御祭神は、大己貴命、素戔嗚尊、少彦名命の三柱。国土経営、厄除け、医薬、縁結びなど広範なご神徳を持つ神々として篤い信仰を集めている。


〚地域に息づく伝統行事〛


矢上神社の例大祭は「矢上くんち」として親しまれ、矢上八名に伝わる郷土芸能の踊りが当番町によって奉納される。奉納後は庭先廻りで町内を巡り、終日シャギリの音が響き渡る、地域を挙げた賑わいとなる。


また、五穀豊穣を祈願する「田祈祷」では、大田祈祷と小田祈祷が執り行われ、清祓された御幣が各地区の田の水口に立てられる。さらに、海開きや豊漁、海上安全を祈るペーロン祭も行われ、山と海の恵みに支えられた地域文化が今も大切に受け継がれている。


元寇の伝承を今に伝え、地域の祈りとともに歩み続ける矢上神社。歴史と伝統を守りながら、これからも人々の心の拠り所であり続ける。


発行元:長崎通信社

提供元:くにたまの会