発行:長崎通信社
特集:長崎県名鑑号
再生医療は、これからの医療の姿を大きく変える力をもっている。
細胞治療、臓器再生、創薬支援――。
こうした最先端技術を地方の街にもたらす挑戦を続けているのが、現在長崎県を拠点に活動する向井奈津希氏(CELL HOPE 長崎 理事長)だ。
彼女は活動者としての知見だけでなく、“未来の医療を地域に届ける”という強い使命感を持っている。
今回は、向井氏の取り組みや未来への展望を探るべく、長崎通信社では10の質問を行った。
質問 ①:大村市で再生医療を推進したいと考えるようになった「原点」やきっかけは何ですか?
向井氏:きっかけは、大村市の方との会話の中で「再生医療って知ってますか?」と尋ねるとほとんどの方が「聞いたことない」と答え、ほぼ認知されていないと知ったこと。
「知ってたから選択できた」
「知ってたから命が助かった」
という人を沢山見てきたので、大村市でも健康面で困っている人を、再生医療で助けたいと思ったので再生医療を受けられる場所を増やしたいと思ったから。
質問 ②:再生医療とは、市民に分かりやすく言うとどのような医療でしょうか?
向井氏:人にはもともと、【傷んだところを修復する力】が備わっています。
その細胞のはたらきで、病気や怪我を治療し、根治を目指せる医療です。
質問 ③:向井さんが現在取り組んでいる再生医療の研究・技術について、専門外の方にも分かる形で説明していただけますか?
向井氏:歳をとったなと感じることってありませんか?
どんなことで感じるかは人それぞれですが、
私の身近なことでお話しすると、うちは4歳・6歳の子供がいてこの子達は、どんなに日中走り回って大声出してクタクタになった日でも、夜寝る前まで元気です!
30代の私はこの子達のように活動していなくても、日が暮れる頃には疲れています
何が違うんでしょうか
〜20代
=細胞も活発で、回復する能力も高いです。
20代〜
=細胞の動きも緩やかで、完全に回復できない箇所も出てきます。
これが年齢による体力の差であり、歳を重ねて病気や怪我が増える原因です。
再生医療は
歳だから・・・
と諦めるしかなかった
難病、認知症、糖尿病、脊髄損傷、神経障害による麻痺など
に対し、希望の光となっています。
人だけでなく動物の医療でも同様に、期待されており信じられないような回復が、沢山起きています。
もしものときの治療だけでなく
病気の予防としても期待が高まっています。
質問 ④:大村市に再生医療を導入する上で、地域としてどのような強みや可能性を感じていますか?
向井氏:大村市は新幹線、JR、空港、高速ICなどのインフラが整っており、国内外からアクセスがしやすい地域であることが大きな強みだと思います!
今後、大村市が国内外の再生医療窓口になっていくといいなと考えており、可能性を感じています。
質問 ⑤:大村市で再生医療を実現させるために、今必要だと考えている「最初の一歩」は何でしょうか?
向井氏:大村市の方々は優しい人が多いなと感じます。
まず身近な家族、大切なご友人のために
まず知って頂けたらと思います。
定期的に説明会もしていますので興味を持っていただけたらと思います。
整骨院、鍼灸院、エステサロン、美容室、薬局など
健康や美容に携わる人に、まず再生医療とは何かを正しく知ってもらい、
再生医療って何?と聞かれた時に、正しく答えられる人を増やしたいですね。
質問 ⑥:再生医療の社会実装には、行政・企業・大学の連携が重要とされます。大村市ではどのような連携が必要だと考えますか?
向井氏:市民が必要性を感じ始めた時、ようやく行政や企業も需要をとらえ動き始められると思うので、市民の認知度を高めることが先決と考えています
高齢者施設やデイサービスなど、複数の方々が集まっているところで説明会をさせていただいたり、治療の提携のをしてくださる機関を増やす必要があると考えます。
質問 ⑦:再生医療が進むことで、大村市の健康・医療・産業にどのような変化をもたらす可能性がありますか?
向井氏:お薬を使わない治療なので、医療費を減らし、介護予防にもなります
海外からの需要が高く、日本の一大産業になりつつあります。
質問 ⑧:実用化に向けて、現在の再生医療分野にはどのような課題がありますか?また、その課題をどう乗り越えていこうと考えていますか?
向井氏:課題は2つ
費用が決して安くはない
知る人(需要)がまだ少ないから、扱う側(供給)も少ない
知る人が増えたら、費用もだんだんと安くなっていきます
質問 ⑨:大村市の若者や子どもたちが、医療や科学に興味を持つために、どんな教育・啓発活動が必要だと感じますか?
向井氏:身体って普段どんな働きをしてるのかな?
ということを未就学児の頃から、学べる環境が増えたらいいなと思います
行政から絵本をプレゼントされるところもあるので身体の本を親子で読めたら、理解も深まるのではと思います
小学校、中学校でも全国的に同じように学べる環境が整っていくのが理想ですね
はたらく細胞というアニメが流行りましたよね。
とてもわかりやすいアニメだったと思います。
身体の仕組みを知ることで、病気のなりたちがわかり、予防策も考えられるようになる
薬の必要性も判断できる人が増えると思います
質問 ⑩:最後に、再生医療の未来と大村市の未来を重ねて、読者に向けてメッセージをお願いします。
向井氏:すみません、長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
再生医療は
きっと当たり前の医療になります。
この医療の大きな転換期となる時代に生きてることはすごいことです。
日本の皆さんの健康だけでなく、日本経済をも元気にする可能性のある産業です。
厚生労働省の経済成長率の予測を発表していたり、大阪万博でも日本は大きく発信したりしました。
株の変化などを見ている方は、再生医療や周辺産業の動きを気にしていただけると、面白いと思いますよ。
ぜひご自身ごととして捉えていただければと思います^^
いつかお会いしてお話しできる日を楽しみにしてます♪
今回の取材を通じて、向井奈津希氏の情熱と、大村市における再生医療の可能性を改めて感じた。
再生医療は、まだ認知度が低い分野ではあるが、地方都市でも十分に推進できる力を秘めている。
長崎通信社は、今後も地域の最先端医療や科学技術の情報を発信し、市民の皆さまに“知ることの大切さ”を届ける。
【長崎通信社】
長崎通信社 公式ウェブサイト
説明:長崎通信社は、「Bloom Journalism:開花的報道」を主旨とし、建設的視点と記録性を重視した長崎県の報道機関
【向井奈津希さん】
経歴:看護師、CELL HOPE 長崎理事長、長崎連盟理事
活動:再生医療関連事業、エクソソーム事業、看護師業、地域交流の創出、ボランティア活動
拠点:長崎県、長崎県大村市
参照:インスタグラム
