2025年12月31日、ガソリン税に含まれていた旧暫定税率が正式に廃止された。この暫定税率は、ガソリン1リットルあたり25.1円が上乗せされていた税率であり、本来であれば廃止によってその分だけガソリン価格が下がると期待されていた。しかし、実際には店頭価格が大きく下がったという実感は広がっていない。その背景には、政府がこれまで実施していた燃料価格抑制のための補助金制度の終了がある。 政府は近年、原油価格の高騰対策として、石油元売り会社に対し燃料価格を抑制する補助金を支給してきた。この補助金はガソリン1リットルあたりおよそ25円前後の価格抑制効果があるとされ、消費者が負担するガソリン価格の急激な上昇を防ぐ役割を果たしてきた。 2025年末に旧暫定税率が廃止された際、この補助金制度も段階的に縮小されたうえで最終的に終了した。結果として、税率廃止による25.1円の減税効果と、補助金終了によって失われた約25円分の価格抑制がほぼ同時に発生することになり、実質的には互いに相殺される形となった。 そのため、制度上は減税が実施されたにもかかわらず、店頭のガソリン価格は大きく下がることなく推移している。さらに、ガソリン価格は国際的な原油価格や為替相場、流通コストなどの影響も受けるため、減税だけで価格が大きく変動するとは限らない。政府も価格の急激な変動を避けるため、補助金を段階的に調整してきた経緯があり、結果として多くのドライバーにとっては「減税された実感が乏しい」という状況が生まれている。 長年議論されてきたガソリン税の暫定税率は廃止されたが、実際の家計負担という観点では、その効果は限定的に見える側面もある。今後のガソリン価格は、国際原油価格や為替の動向、さらには政府のエネルギー政策によって左右されることになるため、引き続きその動向が注目される。 発行元:長崎通信社